それは、小さな光だった。
実際には小さいなどということはなく、寧ろ巨大にすぎるほどであったのだが、寿命を迎え割れ砕けた、小さな――もとの大きさと比べてひどく小さな破片の一つにすぎなくなった石塊は、深遠な蒼海と遠大な緑野の遙か上空で燃え尽き、碧落を見上げた小さな人々の目にそれは、幽かな白光の瞬きとしか映らなかった。
「可哀相になァ」
天に焦がれるように高く長く聳える大樹の頂で、本心の読めない声が言った。
「もう少し下までくりゃァ、も一度お天道様が拝めたのになァ」
「サテ、それはどうであろな」
哀れと言いつつ暢気な声に、どこを見ているのか判らない調子の、気のない声が応じた。
「よし地上へ落つたところで、ハテそれが幸であるか不幸であるか」
「ナンだい、お前さんァ不幸ってわけかい」
最初の声は意外そうに訊くが、今度もやはり心のない声音である。だが、問われたほうもそれを気にする素振りもなく、ただ淡々と答えた。
「マァ、どちらでもありゃせぬわな。以前も今も、なァにも変わらぬ、ただただ、遠くを眺め徒然暮らし、気が向いた時にチョイと余所にちょっかいを出すほどであればな」
「へェ。終わったところで続いたところで、大した差はねぇってかぃ」
「営みなどそのようなものであろ」
「精力的に生きてるやつも、いるにゃァいるけどなァ」
「なれのことかえ」
「まさか」それまで心のない色を呈していた声が、ほんの一瞬、何とも言い難い笑いを含んで答えた。「俺ァ毎日、餌ァ探して威張り散らして群れを率いて、つましく静かに暮らしてらァ」
「つましく、のォ」
何かがひどく可笑しかったらしく、気のない声音のままでくつくつと笑い、声が応じる。気のなさがどこか妖艶な雰囲気を作って、得も言われぬ揺れが辺りに響く。
生き物の気配の一切ない山の一角には、ひっそりとした風のかすかな音と彼らの声とが、束の間流れて消えてゆくだけだ。生の環から僅かに外れたような寂寥とした空気は、まるで何もかもが死に絶えた直後のようでさえある。けれどそれは、聖地と呼ばれ、人も獣も敬遠し寄りつかない山の深奥であるからで、たゆまぬ木々のざわめきは、途切れぬ息吹と鼓動であった。
終焉の気配と生の囁きに耳を傾けているのか、笑い声を境に声は止んでいた。声が絶えると彼らの存在は途端にあやふやになる。彼らは互いに、何を考えているのか何も考えていないのか、ただ黙然とどこかを見つめているのだが、彼ら自身が、そのどこかと一体になってしまうかとも思えるほどであった。
それがどれほど続いたか、同じ日なのか別の日なのか、ともかくも、彼らがようやく動いた頃には、空には朱が差しはじめていた。
「オヤ、童どもが御山で騒ぎ始めたなァ」
感情のない笑い声で告げるその目の先には、木々の一つ一つの見分けもつかない、遼遠に座す山の姿がある。そこに何かが動いていることなど、むろん判るべくもないのだが、傍らの影は同じ方に顔を向け、軽く舌打ちをした。
「ありゃァヨソの餓鬼どもだァな。ちょっ、俺の縄張りで嘴鳴らすたァ良い根性だ」
「ホホ、お灸を据えてやりでもしたら、否でも賢くなりょうなァ」
けしかけるように言われ、もう一度調子の違う舌打ちをすると、それは巨大な翼を広げて梢から飛び立った。夜空をまとった漆黒の羽は巨体に似合わぬ軽やかさで空を凪ぎ、大鴉は、流星にも等しい速さで瞬く間に青霞の中に消えていった。
「サテ、吾も戻るとしょうかの」
残された人影は誰にともなく呟くと、最前星の流れた虚空に目をやった。何かを言いたげではあったが、最早周囲に仲間はいない。言うべきでないから言わずにおいたことを今更言いたくなるなど、それはつまらぬ感傷でしかない。嘲笑うように息を吐くと、その姿はするりとかすみ、忽ちのうちに空に溶けきってしまった。残ったものなど何もなく、変わったところも何もなかった。
山肌を一陣の風が駆け下り、どこからか獣の咆吼が響く。巣へ向かう鳥獣の切なげな声もいつの間にか消え、獰猛な瞳が繁みの奥で怜悧に光る。いつもと同じ夜がきていた。
(2009/1/13脱稿)
(2009/1/14加筆)
追記で反省↓
久々に単語を繋げて連ねてみたわけだが
これは ひどい
加筆って書いたけど、今日上げるって言っちゃったから無理矢理上げたから、正直加筆も修正も足りてない
ところどころ日本語の用法も違うし
いつもはほとんど全ての単語で辞書を引きつつ書くわけで、そうしないと読めたもんじゃないってのに、急ぐあまり思いついたままに書いてしまって大惨事
古くさい喋り方して欲しくて無理したけど、それもボロが出まくり
多少なりとも資料を漁ってから挑戦すべきことだった
……ひとまず、これで上げてしまいます
あとでまた加筆修正します
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といつつ結局放置しているわけですよ
まあ ね
そんなもんだよいつも
(090910)
すげーwwww
売ってるやつみたいやん!
っていうか急がしたの自分ですよねサーセンwww
っていうかここのコメントするとこなんで真赤なん笑
目が みどり
笑ー
そういやねこの前買った画集すごいんだわ笑
あとで画像贈るー
や、当初の予定では13日に書き上げるはずだったからなー
一番は自分の怠惰がいけない
このブログは共有テンプレートを借りてきてるんだが…確かに目ぇ痛いな笑
後で変えます
期待させといてこんなでゴメン…
次 というか長編頑張る
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すげーwwww
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目が みどり
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そういやねこの前買った画集すごいんだわ笑
あとで画像贈るー
や、当初の予定では13日に書き上げるはずだったからなー
一番は自分の怠惰がいけない
このブログは共有テンプレートを借りてきてるんだが…確かに目ぇ痛いな笑
後で変えます
期待させといてこんなでゴメン…
次 というか長編頑張る